草生やす

育てていたりいなかったりする草のことについて書いたり書かなかったり。

ピンクサリーとかいうリプサリス

気が付けばしばらく更新していなかった。
じゃあ、リプサリスの話します。

ピンクサリーと呼ばれるリプサリスが流通している。
新芽が白~ピンクに染まるやつだ。
鮮やかな新芽、間延びしない短い節等、キャッチーな株と思う。
この魅力的な特徴である斑と矮性は多分、薬品処理1によるものであり、
薬が抜けた頃には普通の間延びして下垂するリプサリスだ。

薬がキマっていた頃のピンクサリーの写真が見つからなかったので、
楽天市場の商品画像を参照しようとしたが、これすでに薬抜けてるやつ。
気になる人は検索してくだち。

少なくとも自分が入手したピンクサリーなる株は、
1年後には完全にRhipsalis micrantha forma micrantha2であった。
R. micranthaは木の葉状リプサリス群であるPhyllarthorhipsalis亜属に分類され、
更に3つの品種に区分される。 ちなみに種小名は小さい花という意味だ。

R. micrantha forma micrantha

茎節は幅が狭く、扁平(偶に3〜4稜)である。

f. micrantha

R. micrantha forma kirbergii

茎節の稜が特徴的な種である。R. pentapteraほどの深い稜ではない。

f. kirbergii

R. micrantha forma rauhiorum

R. micrantha f. micranthaよりも厚く幅がある。

f. rauhiorum

もうピンクサリーにはならないであろう株が
ピンクサリーとして売られているのを見たので、以上レポっす。

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リプサリスフォトブックは残り数部です。
興味のある方、是非どうぞ。

soutyu.hatenablog.com


  1. 想像だが令和のなんとかに使っているような薬品を使うのかな。薬斑株を売る善悪は置いておいて、リプサリスの中でもmicranthaを使っている妙を感じる。成長速度がゆっくりで比較的サイズが大きくなるparadoxaやcrispataあたりは向いていないだろうなとは思う。成長速度が速く小型の茎節を持つものとしてcereuscluraとかmesembryanthemoidesあたりも向いているんじゃないか(超早口)。
  2. 3種の分布や形態についてはBarthlottさんの論文が詳しいhttps://www.researchgate.net/publication/262002210_Der_Rhipsalis_micrantha_HBKDC-Komplex_in_Ecuador_und_Peru