日本の冬は南米の草には厳しく、今年はすでに誤魔化しが効かないくらい寒い。
夏の間に野放図に増やして広げた鉢植えたちを
屋内の限られたスペースに配置していく作業を大体終えた(一部諦めた)。
設備的制限から、最低限の生体維持となってしまう冬場においては、
成長が止まって記事にすることも少ない故、最近買った本についてメモっておく。
DIE BROMELIE
ドイツブロメリア協会の会報。会費は48EUR/年で年間3冊の会報が送られてくる。
会費はややお高いが、独英併記のフルカラー、
新種報告や自生地訪問の記事は写真が多く、パラパラ眺めているだけでも面白い。
最近送られてきた2021(#3)の記事はこんな感じ。
- ゴイアス州北東部の新種 Dyckia inconspicua, ブラジルの乾生ブロメリア(6)
- Tillandsia racinaeの栽培
- 2022イベントのお知らせ
- コロンビア, クンディナマルカ県の新しい固有種 Tillandsia gloriaeとTillandsia cerosa, 2017年コロンビアへの初めての旅(2)
- Tillandsia witeckiiの発見、分類、絶滅の脅威と保全状況、栽培のレポート, ブラジル南部の岩着生のチランジア(1)
- ゴイアス州の新種 Dyckia altoanaとエンコリリウムの新組み合わせ2種, ブラジルの乾生ブロメリア(7)
全然知らない種類の話ばかりで、これがブロメリアの最先端......という気持ちになる。
入会時の案内によれば、400名程度の会員が所属しており、
そのうち国外会員が100名程度、主にオーストラリアと日本からの会員だそうだ。
『フィールドワークで知るナマクアランドの多肉植物』
フランス人著者による南アフリカ多肉植物の自生地写真とコラムなど。全351頁。
南ア多肉は南アの砂漠に生息しているんだくらいの雑な認識だったのですが、
こちらの本では地域ごとに掲載されており認識を改めるのに最適です。
特に生態学に関するコラムが面白く、
例えば、ある種のラペイロージアの送粉者となる口吻がやたら長いハエの写真など貴重ですね。
ただ一点、せっかくの写真が見開きに配置されているのはなんとかならなかったのか。
見にくくて勿体無いなと。
『New Cactus Lexicon ~Illustrations』
サボテンに興味を持った頃にはすでに絶版でプレ値が付けられており、
いざ買おうと決心した頃には市場から姿を消していた。
こちらは手に入らないから、バッケベルグ版のCactus Lexiconを読んでみるかと、
ebayで注文したところ、フリマアプリで見つけて即購入した次第。
後から海外から送られてきたバッケベルグ版については、
入手することでNew〜の入手イベントが発生するアイテムだったと思うことにした。
New~は2006年に1・2巻分冊(各種説明文と写真、ハードカバー)で出版され、
2013年に改訂版として2巻目の写真図鑑(Illustrations)が出版されたようだ。
これについて紹介してるいくつかのブログを見てみると、
改訂版の方はハードカバー版とペーパーバック版がありサイズが異なるらしい。
自分が今回入手したのはペーパーバック版。
森林サボテン好きとしては、Frank Supplie『Rhisalis & Lepismium』に
掲載されていない種類の写真が載っているのが嬉しい。
よい買い物をした。
以上。